県産牛乳でチーズ製造
新たな挑戦へ

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新商品のチーズに風評打破への期待を込める二瓶社長=会津坂下町

「会津のべこの乳」ブランドで知られる会津坂下町の会津中央乳業が5月にチーズ製造事業を立ち上げ、県産牛乳の風評打破へ新たな挑戦を始めた。

おさげ髪の女の子のマークが目印の牛乳は、牧場で飲むような新鮮な甘みとコクにこだわり、首都圏にも販路を広げていた。生産規模が大きくない会津の酪農家の経営安定に資するためにも、会津のアピールに力を入れてきた。

しかし、震災と原発事故の後、県産品に風評被害が発生。福島第1原発から100キロ以上離れて直接的被害のない会津でも、「福島の牛乳」といえば首都圏での契約を打ち切られた。

県外で牛乳を売る厳しさに直面したとき、「チーズだったら買い手がつくんじゃないか」と助言を受けた。ヨーグルトやアイスクリームはすでに商品化していたが、チーズ作りの知識はなく、試行錯誤の中で、被災地の復興支援に取り組む三菱商事復興支援財団による支援が決まった。新しい製造機が導入され、乳酸菌の発酵具合の見極めなど安定して同じ味の商品を出すマニュアルが整った。

8月からモッツァレラチーズ(税込み600円)とストリングチーズ(同350円)の2種類を販売した。初日から買い物客が工場直売所ににぎわい、「チーズなのに牛乳本来の優しい味」と評価も上々だ。二瓶孝也社長(69)は「(風評に負けない)うまいものを作らないと」と固い決意をにじませ、新商品に風評打破への期待を込める。

チーズ製品は、会津坂下町の同社直売所とあいづ湯川・会津坂下(湯川村)、喜多の郷(喜多方市)の二つの道の駅で販売。問い合わせは同社0242(83)2324。

(福島民友)