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健康と医療地元大学と健康づくり

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大学生関係者の指導を受け、楽しそうに手を使ったゲームに取り組む参加者
宮城県柴田町東部、四日市場地区の集会所で9月中旬、大学の指導者の助言を受けて運動に励む女性たちの姿があった。13人が学生と一緒に手足を動かすゲームで肩慣らしをした後、腹部などの筋力強化を目的に体をひねったり、足踏みしたりして汗を流した。

地元にある東北地方で唯一の体育系大学、仙台大が町民の健康づくりのために開いた運動教室だ。

主婦渡辺優子さん(64)は「楽しく笑いながらできるのがいい。体も心も健康になる」と笑顔をみせた。

柴田町と仙台大は2003年9月、連携・協力に関する覚書を締結。子どもたちの部活動や地域住民の健康増進でタッグを組んできた。運動教室は大学主催のほか、行政区が企画して大学から講師を派遣してもらうことも。町民が大学に出向いて専門の機器で体力や骨密度を計測したりすることも可能だ。

運動教室には学生も参加する。同大副学長で健康管理センター長の橋本実教授は「お年寄りたちに若い学生が交じることで活気が生まれる。楽しい経験が運動を続ける鍵になる」と指摘する。教員や運動指導者を目指す学生にとっては経験を積むことになり、双方にメリットが多い。

橋本教授のデータによると、運動を続けた場合、上体起こしや片足立ちで改善が見られ、体力の維持が確認できた。運動の継続を促すため、教室を終えた1年後に「再会教室」と題して集まってもらい、再び測定する取り組みもある。

「今後は生活習慣病の予備軍が多い50代に焦点を当てたい」と橋本教授。仕事が忙しくて運動不足になりがちな50代向けの健康運動を町内企業と連携して企画したいという。

柴田町の滝口茂町長は「子どもの体力向上を含め、幅広い世代の健康づくりに地元に体育大学がある強みを生かしたい」と話す。
(河北新報)