老舗旅館、外国人向けの低価格ホテルを開業

ホテル佐勘ラウンジでALTによる来客対応研修を受ける従業員
今年5月下旬に仙台市太白区の秋保温泉で開かれた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、主会場となった老舗旅館「ホテル佐勘」が外国人誘客に力を入れている。スタッフの英語力を強化したほか、G7会議に先立ち低価格ホテルを開業。今秋には外国人が好むアウトドアの関連イベントを企画する共同会社の設立を予定している。

G7会議の受け入れに向け、佐勘は昨年10月〜今年4月、外国人対応研修を実施。仙台観光国際協会から派遣された外国語指導助手(ALT)が客役を務め、フロントやラウンジ、売店などで英語での受け答えをスタッフに指導した。

佐藤勘三郎社長(55)は「外国人から逃げずに話せるようになることが重要だ」と強調。今後も英語の研修を実施するほか、外国人をアルバイト従業員として雇用し、英語の指導役とすることも検討する。

5月上旬には、外国人バックパッカーなど個人客をターゲットにした低価格ホテル「KYOU」をオープンした。高級旅館が多い秋保温泉で素泊まり1泊4500円(税別)という格安ホテルは初めてだ。

全103室を洋室のシングルルーム(1室12平方メートル)にし、風呂とトイレは共同利用。大浴場と個室のシャワーブースを備える。土日はほぼ満室。外国人利用は1割強にとどまるが、専用の会員制交流サイト(SNS)を活用し、外国人に情報発信する。

今秋には、秋保地区の旅館経営者や仙台市内の企業と共同で、アウトドア関連のイベント会社「アキウ ツーリズム ファクトリー」を設立する。温泉周辺のサイクリングなどツアーを検討中だ。佐藤社長は「温泉街のイメージを変え、新たな客層の獲得につなげたい」と意気込む。

(河北新報)