金属プレス加工・カミテ。 新たな挑戦果敢に

プレス加工場でシャント抵抗器を手にする上手社長

プレス加工場でシャント抵抗器を手にする上手社長

「新しいことに挑戦しないと、企業は生き残れない」。そう力強く語るのは、秋田県小坂町の金属プレス加工・カミテの上手康弘社長(54)だ。新エネルギー関連市場の拡大を見越し、電気部品「シャント抵抗器」を自社開発。医療機器向けの高度技術や製品開発にも果敢に取り組む。

県の誘致企業として1988年に創業。当初はソニーのラジオ部品を製造していたが、現在は医療機器部品を中心に約200種類を手掛ける。

シャント抵抗器は回路の電流を検出するための部品。発送電や蓄電用の機器に取り付けられる。弘前大と共同開発した大型の大電流用で、全国でも数社しか製造していない。

プレス加工場でシャント抵抗器を手にする上手社長

完成した抵抗器は、アーチ状の金属板7枚が等間隔に並んでいる。性能重視でデザインは軽視されがちな産業用製品に工業デザイナーの助言を取り入れ、2014年にグッドデザイン賞を受賞した。性能面の改良を終え次第、太陽光や風力など新エネルギー分野の発送電設備向けに本格的に売り出す予定だ。

これからの製造業の在り方については「時代に求められているものを先読みしなければならない」と力を込める。

医療分野では機器の小型化がさらに進むとみて、12年から弘前大や秋田県産業技術センターと共同で、超微粒子状の金属を用いた内視鏡やカテーテル部品の研究開発に着手。成形実験を重ね、19年までに製品化を目指している。

次世代自動車分野も成長の柱に育てたいと考えている。上手社長は「残り0・1%をおろそかにすると、満足のいく製品にならない。それがものづくりの難しさであり、楽しさでもある」と語った。

(秋田魁新報)