木工品「ブナコ」。独自の技術が今、世界のインテリア関係者から注目

ブナコの製造工場

ブナコの製造工場。さまざまな形状に加工できるデザイン性の高さもブナコの特長の一つだ=10月3日、弘前市

蓄積量日本一を誇る青森県のブナ。テープ状に加工したブナ材を何重にも巻き付けた後、食器などに成形するのが県独自の木工品「ブナコ」だ。1956年、県工業試験場(現・県産業技術センター弘前地域研究所)が考案した技術が60年後の今、世界のインテリア関係者から注目される存在になっている。

ブナコを製造する弘前市の企業「ブナコ」は63年に設立。以降、お盆やボウルなどテーブルウエアの人気商品を次々と生み出し、デザインの美しさや木材を無駄なく使える製法が評価を得てきた。

だが98年ごろ、転機を迎える。倉田昌直社長(62)は「商品が売れなくなり、倒産も覚悟した。一度弱くなった市場を掘り起こすのは難しく、新たな市場に活路を見いだす必要があった」と振り返る。

そこで目を付けたのが照明器具だった。過去にブナコのランプシェードの製作依頼を受けたことにヒントを得た。インテリア分野に進出し、2009年からほぼ毎年、パリで開かれるインテリアの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展。15年からは最高評価のデザインのみで構成される展示ゾーンでの単独出品が実現している。

その効果もあり、やわらかい光で周囲を照らすブナコランプは国内外で採用例が増えている。国内では高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン京都」の客室に設置。今年7月にデビューしたJR五能線「リゾートしらかみ」の新型車両の客室や、JR仙台駅前に同月オープンした「仙台パルコ2」の店内でも使われている。

「東京を飛び越えてパリを目指したのは、ブランド力向上のため。まず海外で高い評価を得て、日本で認知度を上げる『黒船効果』を狙っている」と倉田社長は戦略を説明している。

(東奥日報)