リンゴづくしでアジア客誘致に取り組む温泉施設

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果実を浮かべたリンゴ風呂。地元の日帰り客の利用も多い=7月27日、南田温泉ホテルアップルランド

国名勝・盛美園や猿賀神社、「世界一の扇ねぷた」が名物の平川ねぷたまつりなどの観光資源を有する青森県平川市。だが、産業はコメやリンゴなどの農業が主体で、隣接する弘前市に比べると、観光地として知名度が高いとは言えない。

その平川市中心部に韓国、台湾、中国を中心とした外国人客でにぎわう宿泊施設がある。今年創業45周年を迎えた「南田温泉ホテルアップルランド」だ。2016年は4千人以上の外国人が宿泊した。

一番の売りは果実を丸ごと浮かべたリンゴ風呂。弱アルカリ性の温泉とリンゴの香りが旅行者の心を癒やす。「当社のオーナーはリンゴ仲卸業。従業員の保養のために温泉を掘ったのが当施設の始まりで、リンゴ風呂は約30年前から取り組んでいる」と海外客担当の一戸聡志さん(46)は経緯を語る。

青森県産リンゴは近年、輸出が急増し、海外の評価も高い。アップルランドは「ウエルカムフルーツ」として客室にリンゴを置いたり、リンゴを使った料理を充実するなど、リンゴづくしで外国人客らをもてなしている。

また、青森空港や高速道路のインターチェンジが比較的近い立地の良さも売りの一つ。今年5月、同空港にソウル線に続く国際定期便、天津(中国)線が就航し、中国人のツアー客の利用も増えているという。

昨年12月、平川市と青森県、台湾・台中市の3者が友好交流協定を締結した。平川市は農家体験に力を入れ、台湾から教育旅行の受け入れ実績もある。同市商工観光課の中畑高稔課長補佐(45)は「市内の観光施設だけで外国人客を倍増させるのは難しい。温泉やリンゴ、モモ、雪などを生かした体験メニューを増やしていきたい」と話している。

(東奥日報)