便は腸内環境を伝えるメッセンジャー

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ミーティングを行うメタジェンの社員。福田真嗣社長(左から2人目)は「腸内環境をコントロールできれば、病気ゼロにつながる」と語る=8月17日、鶴岡市・メタジェン

「便は腸内環境を伝えるメッセンジャーで、宝石と同じくらいの価値がある。だから、便は『茶色い宝石』」。メタジェン(鶴岡市)の福田真嗣社長(39)=同市大宝寺=は、そう言って笑顔を見せる。同社は慶応大先端生命科学研究所(同市)発のバイオベンチャー企業として2015年に設立された。「病気ゼロ社会の実現」というビジョンを掲げ、メーカー18社と連携して食品やサプリ開発などを手掛けている。

成人の腸内には、数百種類以上の細菌が約100兆個いるという。腸内細菌の集団が腸管内にびっしりと生息している様子は、お花畑に例えて「腸内フローラ」と呼ばれる。腸内フローラは人間の健康維持に寄与し、バランスを崩せば病気の原因になってしまうことが分かってきた。同社は、腸内環境をコントロールすることが健康長寿に結び付くと考えている。

課題の一つとなるのが個人差。腸内環境は個人ごとに異なり、万人が単一の商品で期待する効果を得るのは難しい。そのため、同社はデータベース化を急いでいる。「腸内環境を検査して評価し、タイプ別に効果的な改善方法を示す。将来は健康診断の中でできるようにしたい」と福田さん。便移植に向けて、健康な時の便を保存する「便バンク」も展開する。「『20歳になったら便バンク』という感じになれば」と笑う。

環境づくりに向けて、腸内フローラをテーマにした陣取りゲーム「バクテロイゴ」も東京工業大と共同で開発した。腸内細菌が生存競争を繰り返し、腸内生態系を形作る様子を見立てたボードゲームだ。「おなかの中に菌がいて、食べた物がどのように影響するか考える。またはトイレで見た便の中にたくさんの菌がいることを知ってもらう。それだけでも病気になる人は確実に減る」。福田さんはそう考えている。

(山形新聞社)