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インタビュー岩井卓也社長 インタビュー

岩井卓也
岩井卓也/仙台国際空港社長
仙台空港を運営する仙台国際空港(名取市)の岩井卓也社長に、東北を周遊する広域観光の重要性や2次交通の現状を聞いた。

—広域観光の現状は。
「他のエリアとの競争で考えれば、東北にとって広域観光は必要不可欠だと思う。観光資源の密度では京都などに勝てない」
「東北を広域に回る観光客は既に大勢いる。今春、台湾から来たある観光客は、仙台で7泊し、東北各地の桜を見に行くプランだった。例年より開花が早かったので、結局、函館市の五稜郭まで日帰りした。パリと世界遺産のモンサンミシェルも400キロ離れているが、日帰りツアーが多い。そういうことが当たり前になっている」

—広域観光には2次交通網の整備が重要だ。
「日本の陸上交通は長らく生活交通が中心だった。そこに突如として観光需要が出てきた。旅行者のニーズは既存ルートと必ずしも一致しない。地方は特にそこに悩みがあり、これからという段階だ」
「仙台空港からは酒田市や会津若松市などへの直通バス5路線が開設されたが、いずれも採算ラインには乗っていない。航空便の就航先でのPRでもっと協力したい。仙台空港アクセス線の充実化も重要だ」

—タイガーエア台湾が花巻—台北線を開設するなど、東北の他空港でも国際線の運航が増えている。
「2016年に仙台—台北線を就航し、東北で需要が見込めると判断してくれたのだと思う。空港間の連携はぜひ進めたい。花巻から入って岩手と宮城を周遊し、仙台から帰る選択もあり得る。仙台空港は山形県のインバウンド誘致事業を受託した。他県にも『一緒にやりませんか』とアプローチしている」

—インバウンド誘致で自治体や事業者に求めることは。
「東北6県の人口900万人に対し、北海道は500万人。アウトバウンド(出国日本人)は東北のほうが多い。それでも北海道の新千歳空港には多くの国際線が飛んでいる。海外で確立された観光地としてのイメージが大きい。本州から旅行者を迎え入れてきた積み重ねを横展開し、インバウンドを取り込んだ。そこから学ぶべきことは多い」
「観光予算をもっとマーケティングに基づいて使うことが必要だ。客にとって魅力的かどうかを突き詰めるということだ。観光地を電話帳のように並べた市町村ごとの観光パンフレットでは効果が薄い」

—空港としての決意は。
「一番大事な仕事は路線誘致。台北、ソウル間の定期便は定着したが、その次が求められている。エアラインを直接的に誘致する空港会社の役割は大きい。しっかりと取り組みたい」

岩井 卓也

プロフィール

岩井 卓也

いわい・たくや 筑波大卒。1985年東急電鉄入社。渋谷開発事業部事業計画部統括部長、PFIプロジェクト推進部統括部長などを務め、2015年11月の仙台国際空港設立とともに社長就任。56歳。東京都出身。