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南三陸直売所みなさん館
海や山の幸をふんだんに使った定食も

「南三陸直売所みなさん館」は昨年10月、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町歌津に、復興のシンボルを目指してオープンした。
地域の生産者約60人が出品する直売コーナーには新鮮な海や山の幸、手作りの食品が並ぶ。
よく売れているのは春のタコ、ワカメ、夏のホヤなど旬の海産物。津波で亡くなった女性の手作り菓子を再現した「いつよおばあちゃんの復刻かりんとん」も根強い人気を集める。
飲食スペースでランチを提供し、仮設住宅などに弁当を配達する。定食や弁当は、浜の母ちゃんたちが地元の食材をふんだんに使って調理し、漁家や農家の食卓にそのまま出てくるような飾り気の無さが魅力。「懐かしい味がする」と好評だ。
館は木造平屋で広さ約200平方メートル。建設費約4000万円は、歌津で支援活動を続ける公益社団法人アジア協会アジア友の会(JAFS)が窓口となり、国際人道支援組織ジャパン・プラットフォームが提供した。
「災害直後は物資支援が第一だが、自立に向けた復興では生業づくりの支援が大切。コミュニティーの再構築や交流人口拡大の面でも館の役割は大きい」。JAFSと連携するNPO法人故郷まちづくりナイン・タウン(登米市)の伊藤寿郎事務局長は説明する。
地元運営組織の夢未来南三陸は8月にNPO法人になった。自立への体制整備が進む。千葉孝浩代表は「外部の人が真剣なのに、地元が動かないわけにはいかない。住民の生活再建に貢献し、復興のお手本になりたい」と話す。
連絡先は0226・36・2816。

【河北新報社】