ヘルシーさで需要増 / いわて短角牛

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いわて短角牛の焼き肉を味わう子どもたち=9月29日、岩手県久慈市山形町

かみしめると、口いっぱいに香ばしさと濃いうまみが広がる。ここは岩手県北部の久慈市山形町。当地で生産が盛んな「いわて短角牛」は味わい深い赤身で知られる。健康志向の高まりもあり、ヘルシーで霜降り肉とはまた違ったおいしさがある短角牛は、首都圏をはじめ需要が高まる。

9月29日に同市で開かれた「短角牛バーベキューまつり」も地元の家族連れに加え、盛岡や八戸、仙台など遠来の客でにぎわった。仙台市太白区の会社員小野田貴之さん(54)は「味が濃く、肉を食べている満足感がある」とうなずいた。

ルーツは藩制時代に物資輸送を担った南部牛。明治以降、交配や品種改良を重ねてきた。赤茶の毛色で「赤べこ」として愛され、山懐に広がる緑の放牧地でゆったりと育つ。

岩手県などによると、同県では年間1500頭の子牛が生産され、大半の1300頭が県内で育つ。飼育総数は約3000頭で全国の半数を占める。

ハンバーグやソーセージなど加工品も人気で増産が目下の課題。新岩手農協くじ短角牛肥育部会の中屋敷稔部会長(44)は「生産者の高齢化もあり、頭数は頭打ち。この人気を追い風に担い手を増やし、期待に応えたい」と力を込める。

(岩手日報)