若手漁師開業の居酒屋が人気

自慢の刺し身の盛り合わせを客に説明する魚谷さん(左)

水産業になじみの薄い都民に、宮城県の海産物のおいしさや生産現場の実情を伝えたい―。そんな若手漁師たちの思いが結実し、東京都中野区に生まれた居酒屋「宮城漁師酒場 魚谷屋」が旬の食材を売りに、繁盛している。週末は予約なしでは入れないほどだ。

漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、石巻市)が2016年6月に開業。店主の魚谷浩さん(40)は「漁師や水産物のストーリーを伝えたい」と語る。

魚谷さんは東日本大震災後の11年4月から約4年間石巻に住んだ。復興支援などで培った人脈を生かし、漁師や鮮魚店から地場の水産物を直接仕入れる。モウカザメの心臓「モウカの星」、生がきなど、その時季にしか食べられない食材を提供している。

漁師が店に立つ「漁師ナイト」にも力を入れている。農家や蔵元を交え、生産物の魅力や苦労話を披露。生産者と消費者の交流を通して1次産業の課題を知ってもらうのが狙いだ。

FJの販売部門として分社化し、店を運営するフィッシャーマン・ジャパン・マーケティング(FJM、石巻市)の最高執行責任者(COO)津田祐樹さん(38)は「料理を楽しみながら水産業の現状を学んでもらえる。来店をきっかけに魚食が危機にあることを知ってほしい」と語る。

(河北新報)