湯治場発信、若手が仕掛け

コアメンバーと「湯治場ラジオ」について語り合う早坂隆一さん(中央)=11月27日、山形県大蔵村・肘折温泉

山形新幹線の終着駅、新庄駅(山形県新庄市)からバスに揺られること約1時間。厳冬期の積雪が4メートルを超す山あいの地に開けた大蔵村の肘折温泉にたどり着く。小さな集落に20ほどの旅館・ホテルが立つ。高齢者中心の湯治客が多いが、近年は若手の旦那衆が新たな仕掛けでファン層の拡大に取り組んでいる。

温泉街の旅館、土産店などを営む30〜50代の仲間数人が集会所に顔を見せ、マイクに向かう。今年5月にスタートした「湯治場ラジオ」は、月2回程度のペースで収録を続ける。

ウェブ上で音声を公開する「ポッドキャスト」を活用。特段テーマはなく、自由気ままにおしゃべりを楽しむ。発起人の早坂隆一さん(42)は「リスナーから『緊急事態宣言下で肘折に行けないが、みんなと話しているような気になった』との反応があり、やって良かったと感じた」と笑みを見せた。

7月末に豪雨被害があり、客足が再び遠のく時期もあったが、秋に入り徐々に回復。今後は積雪量に応じて宿泊料金を割り引く恒例のキャンペーンなどで客を呼び込む。早坂さんは「仕事をしながらでもゆっくりできる温泉地。これからの時代に合った湯治場を発信したい」と先を見据える。

(山形新聞)