地元食材で地域元気に
浅めし食堂(青森市)

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楽しく食べて元気に暮らす。地域に根ざしたコミュニティーレストラン「浅めし食堂」は2003年10月、かつて「東北の熱海」とも言われた青森市・浅虫温泉の一角にオープンした。地元の人たちでつくるNPO法人「活(い)き粋あさむし」(石木基夫理事長)が運営。〝食〟を通じて、高齢者らの健康と元気を生み出す地域の核になっている。

提供するのは、NPO法人が営む「いきいき農園」で収穫した野菜や県産地鶏のシャモロックなど、地元食材を使ったこだわりの手作りメニュー。600キロカロリーを基本にした日替わり定食やハンバーグなどの肉料理、焼き魚定食など種類もさまざまだ。今年4月からは、年間を通じて野菜栽培ができる植物工場「スパベジハウス」で収穫した水菜や小松菜などの葉物野菜もメニューに加えている。

浅虫地区は市内でも高齢化率が高く、1人暮らしの高齢者も多い。医院も営む石木理事長は、往診で目にした高齢者の食事が必ずしも豊かでないことに気が付いた。菓子パンやそうめんだけで昼を済ませてしまう人もいて、「栄養バランスのよい食事でお年寄りの健康を守りたい」。

03年3月、地域の伝統食を発掘しようと、NPO法人が1日限りで開催した「浅めし食堂」。数々の懐かしい料理に顔をほころばせる高齢者らの姿に、食堂を継続させようと、NPO法人のメンバーが動き出し、同年10月の開業にこぎ着けた。

食堂には、石木理事長の医療法人が運営するサービス付き高齢者住宅「ストンキ」が併設する。入居する高齢者はスタッフに付き添われて足を運ぶ。外食に出かけるようにジャケット姿に革靴を履いて姿を見せる男性。入居者同士で腕を組みながら楽しそうに笑顔でやってくる女性も。入居している高齢者にとって、食堂は社交場でもある。

食堂は13年3月、大きな長テーブルなど50席ほどを備える広さにリニューアルした。現在は、店長の三国亜希子さん(43)ら10人が切り盛りする。昼時には地元の高齢者のほか、少し離れた市中心部からも女性客らが、こだわりメニュー目当てに足を運ぶ。

「体にいいものを、と工夫を重ねてきましたが、楽しく会話をしながら食べてもらうのが一番健康にいいのではないでしょうか。『みんなが求めているのはコミュニケーションだ』と気付きました」と三国さんは話す。

食と農が織りなすコミュニティーレストランが地域に健康と元気を提供している。

【東奥日報】