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中野イベント復興の願いギュッと/東北復興
大祭典なかの青森人の祭典

東日本大震災からの早期復興を願い、ギュッと握った東北の味—。東北七新聞社協議会は「東北発ニッポン元気アクション」事業の一環として、10月25〜26日に東京都中野区で開かれた「東北復興大祭典なかの・青森人の祭典」でオリジナル料理「六興(ろっこう)むすび」を販売した。同事業の今年のテーマ《『食』がつむぐ元気の輪〜東北のチカラ再発見〜》を踏まえ、東北6県の食材で作った炊き込みご飯のおにぎり。売り上げは全額、震災復興のために役立てられる。

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東北復興へ思いは一つ。たくさんの願いが込められた「六興むすび」が中野の大祭典で販売された=10月26日

当日配布された号外はこちら =>土曜日(33.4MB) / 日曜日(44.1MB)

東北6県の食材集結「六興むすび」 / 七新聞社協議会が販売

「東北6県の食材を厳選した『六興むすび』です。いかがでしょうか」

晴れ渡る秋空。中野区役所前にスタッフの元気な声が響いた。

六興むすびには、東北の郷土料理でおなじみの、各県自慢の食材が集結している。青森県のゴボウとコメ(品種・まっしぐら)、秋田県の比内地鶏、岩手県のシイタケ、山形県のコンニャク、宮城県の蔵王地養卵、そして福島県の御前人参(ニンジン)。東京・南麻布の日本料理店「分とく山」総料理長の野崎洋光さん=福島県出身=が監修した。

「華やかさのない地味な見た目。だが、東北6県の地の味〝地味〟が楽しめるおむすびに仕上がった」と野崎さん。6県が心を一つにして元気になってほしいとの思いを込めたという。

大祭典の元気アクションブース前では、来場者が次々と足を止め「どれどれ、これが六興むすび? どんな味かしらね」とのぞき込んでいた。早速買い求めた埼玉県の会社員女性(34)は「おにぎりには〝心を結ぶ〟イメージがありますよね。東北各地の良いものを持ち寄るアイデア、いいですね」とにっこり。「被災地の方たちの頑張る姿を知り、逆に自分の方がパワーをいただいたように思います」と話していた。

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中野の中心街に青森ねぶた出陣。沿道には人が詰め掛けた

東京・中野に「大祭典」定着

3年目を迎えた「東北復興大祭典なかの・青森人の祭典」。中野区中心部にある区役所周辺で、青森県を中心とする東北の物産・観光・文化芸能を広く情報発信するイベントとして定着した。昨年からはプログラムに青森ねぶた運行も加わり、一段と盛り上がりを見せている。

東京青森県人会が2009年から開いている「青森人の祭典」を土台に、2012年に中野区の「東北復興大祭典」と合同開催となった。入場者数は1年目が13〜14万人(主催者発表、以下同)、2年目18万人、3年目の今年は24万人と着実に増えている。

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多くの出店でにぎわった大祭典

特設ステージは、津軽三味線などの生演奏でにぎわい、会場内に立ち並ぶ約80のブースでは、八戸せんべい汁、十和田バラ焼きのほか、宮城県石巻市の牛タン串、岩手県の焼きウニ、福島県のアユ塩焼きなどが売られた。

実行委員長で東京青森県人会会長の清藤良則さんは「見て触れて食べて、大いに楽しんでいただき、被災地を、東北を、青森県を応援していただきたい」と話している。

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国産材を使った玩具コーナー。ボールプールで子どもたちが歓声を上げた

青森ヒバのガラガラ、秋田スギの茶筒・・・/ 東北の木製品 展示販売

東北七新聞社協議会は元気アクションの連動イベントとして、東北6県の木材利用推進を図る「木育ひろば」を、東北復興大祭典会場の一角・中野区役所ロビーで開いた。

国土緑化推進機構が特別協力。福島県産の数種類の木材(ブナ、オニグルミ、カラマツ、ケヤキ、サクラ)を使ったトレー、秋田スギの曲げわっぱの茶筒、山形のムク材を使ったアロマポット、青森ヒバのガラガラなどが展示販売された。

家の形をした木製アロマポットを買い求めた女性は「自宅に雰囲気が似ているので気に入りました」と話していた。会場内の国産材玩具コーナーでは、積み木やパズル、ままごとセットで子どもたちが歓声を上げていた。

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六興むすびに込めた願いを語る柴田さん(左)と藤本さん=撮影・小松正樹

「六興むすび」川崎でも / 「食材のうま味感じる」

「六興むすび」は、11月1日に神奈川県川崎市の河川敷で開かれた「いいね!芋煮会2014in登戸」(東京クリエイティブクリエイター主催)のメニューとして登場し、来場者約300人が味わった。野崎さん監修のレシピを基に東北産の具材を使い、スタッフが700個を握った。

「薄味だが、食材のうま味がしっかり感じられる。野崎さんがレシピに込めた心だと思う」とイベント主催者の柴田雄平さん(28)。同じく藤本真衣さん(29)は「東北七新聞社協議会や野崎さんの思いが参加者に受け継がれたらうれしい」と語った。

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清藤委員長(中)に目録を手渡す東奥日報社の遠山東京支社次長(右)

六興むすびの売上金、実行委に26万円寄付 / 東北七新聞社協議会

東北七新聞社協議会は11月7日、「東北復興大祭典」での「六興むすび」の売上金26万8800円を、大祭典実行委員会に寄付した。東日本大震災の被災4県(青森、岩手、宮城、福島)東京事務所を通じ、復興支援金として役立てられる。

同協議会を代表し、東奥日報社の遠山仁東京支社次長兼営業部長が、清藤良則実行委員長(東京青森県人会長)に目録を手渡した。清藤委員長は「大祭典の趣旨に賛同していただいた東北七新聞社協議会の皆さまに感謝します」と述べた。「六興むすび」は大祭典期間中、896食(1食300円)を販売した。