ブランド復活へ出荷再開
県北特産あんぽ柿(福島県伊達市)

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福島県伊達市梁川町が発祥の地とされる県北地方特産の「あんぽ柿」の出荷が再開し、今年で2年目を迎えた。柿をひもにくくってつるし、オレンジ色のカーテンのように広がる様子は市内の冬の風物詩だ。

あんぽ柿は生柿を薫蒸した後、水分が残るように干す。濃厚な甘みとねっとりとした食感が特長で、長年、贈答用として関東、関西方面で高値で取引されてきた。

しかし、東京電力福島第1原発事故が起き、農家は県から加工自粛要請を受けた。柿を乾燥させる過程で放射性物質が濃縮し、食品衛生法の基準値を超えたためだ。農家は丹精込めて育てた実を廃棄せざるを得なかった。

生産団体と農家は、放射性物質を取り除く作業に乗り出し、高圧洗浄機を使った樹皮の除去、枝の剪定(せんてい)、干し場の洗浄などに取り組んだ。その努力が実り、昨冬、一部の地域で出荷が再開した。

出荷前の検査には万全を期している。果実をつぶさずに放射性物質量を測定できる非破壊式検査機器に全ての製品を通す。昨冬は約200トンが市場に出回った。県は今年度、例年の半分ほどの700トンを出荷目標に据える。

生産農家の宍戸里司さん(63)は今冬、約1トンを出荷する予定だ。「消費者に食べてもらうのが生産者の生きがい」と出荷の喜びを語る。「あんぽ柿を待ち望むファンは多い。量が出回れば、安心、安全を印象づけることができる」とブランドの復活を願っている。
【福島民報】