相談・交流拠点の認知症カフェ

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認知症の本人や家族、地域住民を含め、誰でも利用できる県認知症相談・交流拠点「さくらんぼカフェ」。スタッフが常駐して対応に当たる=山形市

厚生労働省の推計によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年には、国内の認知症の高齢者が約700万人に達すると見込まれる。高齢者の5人に1人が認知症となる時代を見据え、山形県は7月、認知症の本人や家族、地域住民が集える相談・交流拠点「さくらんぼカフェ」を山形市内に開設した。孤立しがちな当事者にとって、悩みを共有し、情報交換ができる場は新たな心のよりどころとなっている。

常設の認知症カフェ開設は県内初。県の委託を受ける公益社団法人「認知症の人と家族の会県支部」のスタッフが常駐し、悩みに対して面談や電話で助言。約280平方メートルの空間には卓球台や畳敷きの交流場があり、世間話や軽スポーツ、囲碁などを楽しむ利用者も多い。

暫定的に開所した4月以降、8月末までに面談139件、電話170件、文書3件の相談があった。同支部の山名康子世話人代表(69)は「悩みを打ち明けることで気持ちが整理され、明るさを取り戻す家族もいる」と手応えを語る。

65歳未満の若年性認知症の人に対するケアも手厚くした。働き盛りの人が突如として社会との接点を失ってしまうのが若年性に多い特徴だが、早期治療で症状の進行を抑えられることがあるという。作業療法士の資格を持つ県の認知症施策推進員が週1回来所し、食事の動作などを指導。今後は出張交流会を企画している。

認知症は人ごとではない。そんな時代が到来する。山名世話人代表は「認知症は初期段階からいかに適切に支えるかという『入り口問題』。閉じこもりがちだった人にも気軽に来所してもらい、社会との接点をつなぎ留める役割を果たしたい」と話している。
(山形新聞)