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観光酒田舞娘と最上川舟下り

最上川舟下りと酒田舞娘の演舞が楽しめる「最上川花街舟」=2022年4月、山形県戸沢村

山形県の母なる川・最上川を舞台に舟下り事業を展開する同県戸沢村の最上峡芭蕉ライン観光(鈴木富士雄社長)は、新型コロナウルス禍に負けず、新たな試みにチャレンジしている。

四季折々の表情が美しい最上峡を眺めながら、ゆったりとした川の流れに身を置く。旅情感たっぷりだが、アフターコロナを見据え今春、さらに粋な旅行商品を打ち出した。その名も「最上川花街舟」。港町・酒田の華やかな料亭文化を今に伝える酒田舞娘を旅の一行に加えた貸切プランで、最大30人の乗客が三味線と唄、優雅な舞を間近で楽しむことができる。

同社は事業化に伴い、船内のリフォームに着手。演舞が可能なステージを設け、天井も高くした。国の補助金を活用し、約600万円を投じた。

貸切プランの料金は16万円に設定した。鈴木社長(71)は「高額だが、県外客やインバウンド(訪日客)を視野に入れた特別プラン。これからの需要を見込んでいる」と強調する。山形を代表する観光資源の舟下りと、北前船文化がつながる相乗効果にも期待する。

船着き場のそばにグランピング施設の整備を進めるなど、攻めの事業展開で話題を呼ぶ。地域を活気づける取り組みは続く。

(山形新聞)