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人・産業非常食の常識変えたい テーマ別、備えを楽しむ

防災ボックスの企画や非常食の新たな活用の提案などに力を入れる西谷友里さん=2022年10月、山形市

甘いもの、野菜、食物アレルギー対応など、テーマ別の非常食を詰めたユニークな防災ボックスがある。東日本大震災を教訓に西谷(山形県山形市)の西谷友里さん(36)が企画し、防災意識が低かった人たちの関心も広げてきた。防災士・防災介助士と3児の母親の視点を生かし、「非常食の常識を変えよう」と新たな価値の創造に奮闘する。

「備えは楽しくないと続かない」と「ENJOY BOUSAI」をうたう。インテリアとしてもおしゃれな箱、非常食ながら厳選しおいしいことも特長だ。新型コロナウイルスの自宅療養、介護や仕事、育児などで忙しい際の活用も提案する。子どもが食べられるものを把握したり、食べ慣れたりしておくことも大事だと考える。こうしたコンセプトが注目を集め、大切な人への贈答品としても選ばれるようになった。

高校生や大学生を対象にした非常食のアレンジレシピコンテストの開催や防災講話など、若者に向けた取り組みにも力を入れる。

西谷さんは「日頃から防災を楽しみながら考えてもらえたらうれしい。そうなれば非常時におなかと心を助けてくれると信じている」と笑顔で語った。

(山形新聞)