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家族若者定着と出産ラッシュが続く
農村集落

少子高齢化が加速している影響で、子どもや若者の元気な姿を見かけない農村集落が増える中、山形県新庄市西部にある上野(うわの)・蛇塚地区はここ数年、若者定着と出産ラッシュが続いている。全28世帯、人口120人の小さな集落だが、30代以下の人口は53人で高校生以下は32人。6年前には子供会を新設した。子供会の関係者は「先輩たちがしっかりとした地域コミュニティーを築き、維持し続けてきたからではないか」と話している。
同市と隣接する鮭川村から嫁いできた女性は「子育てする上で、家族と同じように地区内の人が見守ってくれているような安心感がある」と話す。以前は他と同様に高齢者の割合が高い地域で、限界集落になる恐れがあった。しかし、踏みとどまった。現在の祖父母に当たる世代が消防団活動、月1回の集会開催といった地域コミュニティー活動に取り組み、集落機能を保ち続けたからだ。
助け合いが活発なことが知れ渡り、約10年前から嫁、婿入りが相次ぎ、2世代、3世代同居の世帯がじわじわ増加した。出産ラッシュを受け、上野・蛇塚子供会を新設したのは2007年。それ以来、順調に活動を続けている。
子供会の関係者は「農村地帯では長年、地域で支え合いながら生活してきた」と振り返る。「昔ながらの助け合いの精神が地域コミュニティーを維持、発展させる一番の近道なのかもしれない」。しみじみとこう語る。

【山形新聞社】