食大玉サクランボ「やまがた紅王(べにおう)」誕生
「やまがた紅王」の開発は1997年に県農業総合研究センター園芸試験場(寒河江市)で始まった。大玉で品質の良い「紅秀峰」と、レーニアと紅さやかの交雑種を掛け合わせた70本の苗木の中から育成した。名称は約1万5千件の応募の中から絞り込み、生産者や流通関係者の意見を踏まえた上で名付けた。
1粒が500円玉より大きく、鮮やかな紅色が特徴。種は他品種とほぼ同じ大きさなので、食べ応えは抜群だ。日持ちが良く、長時間の輸送にも耐えることから輸出への期待も大きい。
高品質生産を維持し、違法流出を防ぐため、県産果樹で初めて「生産者登録制度」を導入した。2018、19年の登録本数は計約1万9500本、100ヘクタール程度を見込んでいる。県産サクランボは本県が国内外に誇る農産物の一つ。県園芸農業推進課の舟越利弘課長(57)は「日本を代表する新たな品種として育て、世界に発信していきたい」と意気込む。
(山形新聞)