人・産業林業女子、奮闘中
林業の担い手を目指す(左から)田辺樹生さん、工藤友紀さん、多田千尋さん=4月25日、新庄市・県立農林大学校実習林山形県新庄市の県立農林大学校林業経営学科は開設4年目になり、本年度は女子学生がこれまでで最多の3人になった。男性が圧倒的に多い分野だが、機械の高性能化に伴い、女性のさらなる活躍が期待される。3人はそれぞれの夢に向かい、知識を蓄え、技術を磨いている。
2年生は現場職を目指す田辺樹生さん(20)と、測量や森林計画を行う現場監理の仕事を目標にする工藤友紀さん(19)の2人。「女性であることのデメリットはあまり感じない」と言い、実習では重さ約5キロのチェーンソーを軽々と持ち上げ、男子と変わらずたくましく作業する。
1年生は家業の林業会社再建のため異業種から転身した多田千尋さん(26)。他県での研修経験があるが、現場で男性に気を使ってもらった分、全体の作業効率を下げてしまった。「体力的不安がある自分には技術と知識が必要」と同大学校に入校した。
同科の吉崎明教授は「女性の方が機械操作が丁寧で、感性を生かした森林の造成計画にたけているともいわれている」と語る。
同科の学習は実際の現場そのもの。雨や雪が降っても山中で行う厳しい仕事だが、3人の目つきは真剣だ。「自信をつけ、林業の担い手として羽ばたきたい」。2年間での成長を誓っている。
(山形新聞)