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観光オンライン酒蔵見学続々・山形県内

オンラインツアーの参加者に出羽桜酒造の酒造りを紹介する仲野益美社長=2020年10月、山形県天童市

山形県内でオンラインを利用した蔵見学に取り組む酒蔵が増えている。新型コロナウイルス禍で日本酒消費量は減少しており、県外からの観光客来訪も見込めない中、オンラインを駆使して、あの手この手で国内外での知名度向上、販路拡大を目指している。

国内外の日本酒品評会で多くの受賞歴がある出羽桜酒造(天童市)は2020年10月、阪急交通社(大阪市)主催のオンラインツアー「大人の酒学(しゅがく)旅行」を受け入れた。録画映像の配信とライブ中継で酒造り過程を紹介し、酒に対する思いを伝えた。ビデオ会議アプリのチャット機能を使い、蔵人と参加者が双方向で会話する場面も。今年1月にもオンライン蔵開き「感酒祭(かんしゅさい)」を開いた。

山形県酒造組合会長を務める仲野益美社長(60)は「オンライン酒蔵見学は訪問につながる大切な機会。事前に酒を参加者に送付し飲みながら参加してもらうため、商品が動く利点もある」と指摘。同組合は海外向けのオンラインセミナーも開いており、仲野社長は「映像が大切だと感じた。コロナ後の経済循環のためにも今はオンライン酒蔵見学を続けたい」と話した。

(山形新聞)