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人・産業介護現場の負担軽減 極薄センサーで見守り

フューチャーインクとエヌ・デーソフトウェアは高感度極薄センサーを使った介護用見守りシステムを販売し、介護現場の負担軽減に貢献している=2021年10月6日、米沢市

山形大発のベンチャー企業フューチャーインク(山形県米沢市)とエヌ・デーソフトウェア(ND社、同県南陽市)は、高感度極薄センサーをベッドのマットレス下に敷き、要介護者の心拍数や呼吸、眠りの深さを確認する見守りシステムを開発し販売している。人手不足が深刻な介護現場の負担軽減、事故防止に貢献している。

施設では介護者1人が大人数の要介護者を担当するケースが多い。このシステムなら要介護者の離床、覚醒、睡眠の状態が分かるため、介護者はおむつ交換やトイレ、床ずれ防止など介助のタイミングを合わせられる。異常時は警告アラームが鳴る。

センサーは薄さ0・5ミリで、寝た人の胸の位置に敷くと心臓の鼓動や肺の収縮時に生じる微細な響きをキャッチできる。データはWi—Fiで端末に送られ、モニターに一覧で状況を示す。データをケアプラン作成に生かすこともできる。

薄いフィルムに電子回路を印刷する技術を使い、世界最薄レベルを実現した。全国約30施設で使われており、ND社の大木幸寬アシスタントマネージャー(48)は「人の目が届きにくいところで人の目の代わりになる」と話す。さらなる改良も検討している。

(山形新聞)