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土地に根付いた食 学習
米沢栄養大(山形県米沢市)

山形県米沢市に今春開学した県立米沢栄養大は県内で唯一、管理栄養士養成課程を持つ。他の栄養系大学にない特色ある科目として、農業実習などを通して県内の食の現状や地産地消について学ぶ選択科目「山形の食と健康」を設定した。

山形の伝統食を知った上で、それを健康維持・増進に活用できる人材の育成が目的。大和田浩子健康栄養学部長は「米沢、山形の多彩な食材を生かせる管理栄養士になってほしい。県民の健康寿命の伸長にも貢献していきたい」と語る。

講義(前期)は8回で、県栄養士会の上野和子会長が担当。郷土料理に詳しい松本時子・元県立米沢女子短大教授とレストランシェフ安達稔さん(山形県白鷹町)をゲスト講師に招き、米沢藩9代藩主上杉鷹山の指示で凶作に備えて編さんされた食の手引書「かてもの」や地産地消の実践について理解を深めた。大学近くの畑で農業体験実習も2回行い、トウモロコシやジャガイモなどを育てて収穫。栄養の源である食物生産に触れる機会を設けた。

1期生41人全員が同科目を受講。宮城県大崎市出身の佐々木千秋さん(19)は「隣の県に住んでいながら知らなかった多くの食材を学ぶことができた。土地に根付く食材を料理に生かしていきたい」、山形市出身の庄司葵さん(19)は「授業で実際に伝統野菜に触れたり、匂いを嗅いだりできてためになった。県内での就職を考えているので、病院食などで郷土の味を提案したい」と話している。

【山形新聞】