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8月29日は「馬肉の日」
馬肉(山形県長井市)

山形県長井市には馬肉料理を食べる独特の文化がある。これをアピールし、産業・観光振興に結び付けようと、長井商工会議所が中心となって多彩な取り組みを行っている。今夏は全国5都県の関係者を招き「馬肉サミット」を初めて開催した。

馬肉文化が根付いた理由には諸説あるが、戦前から馬刺し、馬肉チャーシュー、それを乗せたラーメンなどを市民はごく当たり前に食してきた。まさにソウルフード。ところが、県外の人から見るとチャーシューなどは特に珍しく、馬肉の味やヘルシーさも注目されている。そこで地域おこしの核にしようと、数年前から商品開発やPR事業に力を入れている。

まず8月29日を語呂合わせで「馬肉の日」に制定。PRキャラクター「バーニック・ナガイ」を誕生させ、さまざまな場所に派遣している。昨年は飲食店や精肉店が開発した自信作を競う「馬肉グルメダービー」を開催。牛肉の代わりに馬肉を使い、ユズコショウや食用のキクも入れた塩ベースの「旨(うま)塩いも煮」が最優秀に輝いた。麺類や丼類、菓子などでも注目の商品が誕生している。

ことし8月の全国サミットには同様の食文化を持つ6都県の団体が集結。事例報告を通して今後の連携策も探る有意義なイベントとなった。市内の取扱店は少しずつ増えており、広く売り込もうという市民の意識も強くなってきた。〝馬肉のマチ・長井〟の知名度は着実に上がっている。

【山形新聞】