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素材厳選 手作業も重視
セゾンファクトリー(山形県高畠町)

yamagata
ジャムやドレッシング製造販売のセゾンファクトリー(山形県高畠町)は、徹底的にこだわった素材選びで首都圏や関西圏の百貨店に約30店を構える。素材に丁寧な加工を施し、「想像を超えたおいしさ」を追究し続けている。

日本や世界各地の食材を求めて、社員らは生産者の元へ頻繁に足を運ぶ。実際に畑を見て味を確かめ、農家と対話することを心掛けている。斎藤峰彰社長は「心意気を持って対面することで、生産者と信頼関係を構築できる」と強調。仕入れた素材を見て一番おいしい加工方法を探るため、新商品や限定品が数多く登場する。

素材の味を最大限に生かすため、同社が重視するのは手作業による加工だ。機械化した工程もあるが、野菜を洗って皮をむくなど人手のかかる作業は多い。素材に合った微妙な力加減は手に勝るものはないからだ。ジャム作りで使う鍋は加工する社員の目が届くサイズのものを使っている。

町内にある自社農園ではバジルなどを栽培。これは素材を見極める目を養うために欠かせない取り組みだという。苗植えの段階から社員が関わることで、葉の色が明るい方が柔らかく香りがいいことを実践で学ぶ。早朝に収穫したバジルは社員300人弱という機動力を生かし、午前中のうちに加工して商品化。「最高の商品を、東京や世界に行って売ろうと思ったら、普通の感覚じゃできない。スピード感を持たないと」と斎藤社長は力を込める。
【山形新聞】