石巻の観光資源「魚」に
期待

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佐々木和夫JR石巻駅長

石巻の観光資源はなんと言っても魚。三陸沖の海は世界三大漁場の一つで、年間に水揚げされる魚介類は約200種類と日本有数だ。水揚げ量が全国3位になったこともある。他の地域にはないせっかくの宝だが、観光への活用はいまひとつという印象が拭えない。

観光客を呼び込む上で「食」は一番強い動機付けだ。美しい景色よりも、おいしい食事や貴重な体験の方がリピーターの増加につながる傾向がある。石巻は魚と食を核にした観光戦略が有効だ。飲食店が共同で旬の食材を提供するキャンペーンなどがもっとあってもいいのでは。

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旧桑浜小を改修した子ども向け体験型複合施設

石巻は水産加工業が発達している一方で、鮮魚を買える場所が意外と少ない。捕れた魚の多くは築地などの市場に流れていると聞く。街中で旬の魚介類を手軽に購入できれば観光の目玉になるため、流通を見直すことも必要ではないか。

9月には東日本大震災で被災した石巻魚市場が全面的に運用開始になり、2016年9月には中心市街地で生鮮市場を核にした観光交流施設が着工される。関係者にはどのような形で魚をアピールするか、議論する好機にもなる。この機会に「魚の街」というイメージが湧くような仕掛けを街中に施すのもいい。
食に絡めて三陸の豊かな自然や漁業を体験できるタイプの観光を提案することも大切。その意味で、雄勝地区の旧桑浜小を改修して7月にオープンした複合型施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」には期待している。

小中学生が宿泊して1次産業を学ぶ。ホタテやカキの養殖のほか、野菜の収穫、沢登りなど季節ごとの多彩なプログラムがあり、人気を集めそう。
(河北新報)