林業再生へ新建築材活用
五輪分野に生産拠点整備

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視察が相次ぐCLTの実験用ハウス=7月、会津若松市

福島県の林業再生の切り札として、新たな建築材「CLT」(クロス・ラミネーテッド・ティンバー=直交集成板)の生産と普及を図る取り組みが進んでいる。工場を整備し、2020年の東京五輪・パラリンピックなどでの活用を目指す。

CLTは木目が縦横に交差するように木板を重ねて接着した建築材。強度や断熱性などに優れ、大型パネルにして使う。国はCLT建築の基準を早急に定め、利用を促す方針だ。先進地の欧州では9階建てマンションなどもできている。

福島県内では、東日本大震災・東京電力福島第1原発事故後、打撃を受けた林業の復興を後押しする手段として推進の機運が高まった。業者らが昨年、県CLT推進協議会を設立。会津若松市に実験用ハウスを設け、耐久性や住み心地、消費電力などを検証している。

今年2月には湯川村に東日本初のCLT共同住宅が完成した。放射性物質検査を経た本県産スギのCLTパネルを使っている。2階建て2棟合わせて4戸で、通常の鉄筋コンクリート造に比べ工期が約4割短縮した。まだコストは高いが、将来的には鉄筋コンクリート並みにできる見通しだ。

県は原発事故に伴う避難区域に国内最大規模となるCLT生産工場を整備する方針を打ち出した。年間5万立方メートルの出荷を目指す。16年度にも着工、17年度内にも完成させる計画だ。東京五輪・パラリンピックの選手村宿舎などに活用するよう東京都や国に要請する。

県CLT推進協議会事業管理者の菅家洋一会津土建社長(67)は、「本県、東北の豊かな森林資源を使わないのはもったいない。林業再生から地方創生が進む。震災被災地から生まれるCLTは復興のシンボルになる」と話している。

(福島民報)