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人・産業世界が認めたシネレンズ / 福島県磐梯町のシグマ工場製 / 映画「トップガン」撮影

高い評価を得ているシネレンズを紹介する山木和人社長=2022年8月、福島県磐梯町

福島県磐梯町に国内唯一の工場を持つレンズメーカー・シグマ(本社・川崎市)は、従来の写真用レンズを製造する一方、映画用レンズ(シネレンズ)の開発を進めてきた。2022年に公開され、世界的にヒットした映画「トップガン マーヴェリック」の撮影に使われ、その技術力が注目されている。

映画業界は実績や信用が評価される傾向があり、歴史あるブランドのレンズが重用される。シグマがシネレンズに参入したのは2016年。わずかな期間でハリウッドの大作に採用されたのは、高い光学性能が認められたからだ。

シネレンズは何十枚もの凹凸レンズを磨き、光の軸がぶれないよう組み立てる精緻さが求められる。工場には県内の協力企業と半世紀の間、培ってきた写真用レンズ製造の技術がある。完成したシネレンズは鮮明な表現が可能で、戦闘機同士のドッグファイトなどの撮影に使われ、トップガンのスタッフが求めていた臨場感あふれる映像を実現させた。

山木和人社長(54)は「会津にある工場が世界最高だといわれるまで技術を高め、レンズの聖地化を目指す。ハリウッドのニーズに応え続けられるよう最先端の技術を追求していく」と話している。

(福島民報)