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人・産業畳文化後世に / 魅力発信する体験型施設開業へ

畳ビレッジのイメージ図を手に構想を語る久保木さん。
「気軽に畳に触れてもらえる場をつくりたい」と意気込む=2022年10月、須賀川市

福島県須賀川市で280年以上続く久保木畳店は来年3月にも、市内に畳の魅力を発信する体験型複合施設「畳ビレッジ」を開業する。10月から自社工場を改装し、畳でくつろげるカフェや畳を使ったグッズの販売、工場見学など畳の良さを満喫できる空間をつくり上げる。

計画を進めるのは15代目で同社専務の久保木史朗さん(35)。生活様式の西洋化に伴う畳需要の減少など、業界を取り巻く現状に危機感を覚え、施設整備を思い立った。「畳文化を後世に残すため、家に畳を持たない人でも気軽に触れてもらえる場をつくりたい」と意義を語る。

カフェではイ草の香りとぬくもりを楽しめる畳の小上がりを設け、地元農産物を使ったドリンクなどを提供する。販売スペースでは、国内外で人気だという、グラスの下に敷いて使う「畳コースター」など、手軽に和を感じてもらえる畳製品を取り扱う予定だ。

オンラインを活用した工場見学や畳グッズの制作教室など、時代に対応したサービスも視野に入れている。久保木さんは「国内外を問わず、現代でも畳の需要はある。地元から海外の人まで、幅広い層に畳の良さを発信していきたい」と意気込む。

(福島民友)