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健康と医療高齢者の積極的な社会参加の実現へ

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「元気づくりシステム」による体操に励む市民
福島県伊達市は2011年11月に「健幸都市宣言」を採択した。市内霊山町掛田地区と梁川町白根地区をモデル地区に選定し、ソフト、ハード両面で市民が健康で幸せに暮らせる「健幸都市(スマートウェルネスシティ=SWC)」づくりを進めている。

掛田地区では、ハード面の整備が本格化している。車に頼らないで暮らせる環境を整えようと、道路に歩行者ゾーンを設けた。14年10月、情報発信や健康管理、休憩所などの機能を持ち、健康づくりの拠点となる施設を地区の中心部にオープンさせた。今年3月には高齢の入居者自らが管理し、共同で生活する高齢者住宅が完成した。

白根地区では、スポーツ大会や講演会などを定期的に開催し、住民が健幸都市づくりに理解を深めている。

14年9月からは、新たな健康対策事業として、三重県いなべ市が開発したプログラム「元気づくりシステム」を市内全域で展開している。参加者が手軽な運動を通して健康維持を目指す取り組みで、週に2回、市民が近所の集会所に集まり、筋力トレーニングや体操、ウオーキング、ゲームなどで体を動かす。生きがいづくりや交流の場の創出も目的としている。一般市民をリーダーとして育成し、指導役を務めてもらうことで、委託によるコストが抑えられる利点がある。

市は、健康維持のための努力や効果に応じてポイントを付与し、商品券などと交換できる「健幸ポイントプロジェクト」なども取り入れている。急激な高齢化が進む中、元気なお年寄りを増やすことで、医療費の抑制やコミュニティーの維持、高齢者の積極的な社会参加の実現を目指している。
(福島民報)