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健康と医療地元食材で減塩「だし活」

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野菜収穫ツアーの合間に行われた「だし活」メニューの試食会=9月27日、青森県三戸町目時地区
平均寿命で全国最下位の青森県が、地産地消による食生活改善策として進めているのが減塩メニューの普及を目指す「だし活」事業だ。2014年度にスタートした取り組みでは、県産食材を活用した、だし商品も開発した。県民への浸透に向け、あの手この手のPR活動を繰り広げている。

9月末の日曜日。三戸町の第三セクター・青い森鉄道「目時駅」近くの畑で行われた野菜収穫ツアーで、だし活料理が出された。ツアーは、県と三セクが「あおてつマルシェ」と銘打ったいわば産直列車。主婦や親子連れなど31人の参加者が、塩分を抑えたみそ汁、風呂吹き大根を味わった。

みそ汁は、取れたてのナスや根菜をたっぷり使った具だくさん。事業を担当する県総合販売戦略課の吉田綾子主査(35)によると、一般的なみそ汁に比べて2割ほど塩分を減らせたという。下ごしらえに使った県内産の魚介や野菜を原料にした「できるだし」は県が商標登録し、県内スーパーなどで売られている。

試食した冨樫凌己君(青森市金沢小5年)と母・真紀さん(43)は「だしのせいか、それほど薄味に感じない」「家でも手軽にできそう」と満足げ。吉田主査は「減塩は、味覚が形成される子どもの頃から慣れることが重要。レシピを紹介しながら、さらに各家庭や学校に広げたい」と語った。

試食会には、減塩みそ汁を考案した青森中央学院大経営法学部の学生4人も参加。久留島麻央さん(同大2年)は「県と民間の連携の在り方、地域への波及効果を分析するため、だし商品の消費動向も調べたい」と今後の展開に期待した。
(東奥日報)