農家民宿に、外国人旅行者を地域ぐるみで受け入れ

星雪館のリビングで台湾人宿泊客と談笑する門脇さん
「いらっしゃい!自分の家だと思ってくつろいでね」。はじける笑顔で台湾からの観光客を迎え入れたのは、秋田県仙北市西木町で農家民宿「星雪館(せいせつかん)」を営む門脇富士美さん(45)。グリーンツーリズム団体や観光協会などでつくる仙北市農山村体験推進協議会の会長も務め、外国人旅行者の受け入れに地域ぐるみで取り組んでいる。

暑さ厳しい今月上旬、台湾の母娘が訪れた。リビングで談笑する2人に自家製の米粉で作ったあんこを振る舞った後、門脇さんは片言の中国語で会話の輪に加わった。

協議会が発足したのは2008年。4年後には仙北市が海外からの教育旅行誘致に乗り出し、台湾や米国、モンゴルなどからの外国人客が増えた。日本の修学旅行にあたる中高生の教育旅行や若手社会人の研修旅行などで、昨年度までに延べ20団体、827人が同市を訪れた。協議会が窓口となって市内33戸の農家民宿に割り振りしている。

民宿を営む誰もが外国語に明るいわけではない。しかし、ジェスチャーやスマートフォンの通訳アプリを活用すれば意思疎通は十分可能だ。

「相手が外国人だからといって特別に身構える必要はない」と門脇さん。田舎の素朴さを求める外国人に対し、自然体で接するようにしているという。人気を集める理由がそこにある。

国の地方創生特区に指定されている仙北市は現在、地元の団体が地域ならではの旅行商品を企画販売できるよう、国に規制緩和を求めている。

門脇さんは「個人客が増えるかもしれない」と期待を込めつつ、「自分たちが楽しめる範囲で、余裕を持ってもてなすことを忘れないようにしたい」と語った。

(秋田魁新報)