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人・産業AI搭載、損紙発生を抑制/印刷機製造の宮腰精機(秋田県大仙市)/課題克服、技術継承も

宮腰精機が開発したAI搭載の新型印刷機と藤原工場長=2022年10月、秋田県大仙市

「印刷機にAI(人工知能)を載せたら面白いかも」。きっかけは現場発のアイデアだった。秋田県大仙市太田町の宮腰精機は9月、自社の大型アナログ印刷機にAIを搭載した新型機を開発。業界で長年の課題だった損紙(不良品)の発生率を、AIによって半減させることを目指す。

同社主力の大型アナログ印刷機は、高品質で大量に印刷できるのが特徴。馬券や宝くじ、ガムの包装紙などさまざまな紙の印刷に使われる。

損紙抑制の鍵を握るのが、印刷工程でインクに混ぜる水の量の繊細な調整だ。従来は熟練作業員の経験頼みだったが、AIに精通したソニーOBの兼業人材を2020年に採用。ベテランの技をAIに学ばせ、カメラで水の量や温度、乳化の程度を常時解析し、数値化してモニターに表示するシステムを実現した。

開発の背景には技術継承への危機感もあった。作業員の高齢化や、なり手不足は業界共通の課題だが「AI印刷機の実用化で、現場の技術レベルを将来にわたり担保できる意味は大きい。印刷界の未来を変えていける」。藤原鈴司取締役工場長(60)は言葉に力を込める。

新型機の試作機は来月、都内で開かれる国際見本市でお披露目された後、来年4月にも販売を開始する予定だ。

(秋田魁新報)

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2022年11月12日(土)