1次産業の6次化を支援し、新しい価値を生み出す

アタラタの敷地内には畑

アタラタの敷地内には畑もある。ハーブなどを栽培し、飲食店に提供している=10月11日、名取市

「食」を軸に多様な事業を展開する。飲食店のプロデュースや農産物の生産、加工などから始まり、
東日本大震災後は地域コミュニティーの重要性に着目し、防災や教育などの事業にも力を入れる。

仙台市中心部で農産物直売市「マルシェ・ジャポン・センダイ」の運営などに携わっていた島田昌幸
社長(33)が2010年6月、1次産業の6次化を支援するコンサルティング会社として設立した。

6次産業化のモデル施設と位置付けるのが13年9月に名取市にオープンした食の複合施設「ロク
ファームアタラタ」だ。飲食店3店に農園、まき釜を備えた広場などを併設する。

農園では地域の障害者らが野菜やハーブなどを栽培し、施設内の飲食店で提供する。地域と連携
して野菜作りや火起こしなどの体験イベントも開催。雇用や食育、防災教育の場としても活用している。

島田社長は「単純な飲食の商業施設ではなく、地域と生産者、消費者らがつながることがコンセプト。
1次産業のストーリーやプロセスも感じてもらいたい」と話す。

宮城県七ケ浜町で2月に開業した県内初の海の駅「松島湾海鮮市場 七のや」も、地元商工会から
委託を受けて運営する。前浜や三陸地域で水揚げした魚介類や水産加工品、地元の農産物などを販
売。その場で浜焼きなども楽しめ、1次産業の魅力を発信する。

防災事業では、震災後の避難所生活の教訓を生かし、誰もが食べやすく、長期間保存できるゼリー
タイプの備蓄食品の開発も進めている。

島田社長は「『食』は重要な社会インフラだと震災で再認識した。事業を通じて再構築し、新しい価値
を生み出していきたい」と意気込みを語る。

(河北新報)