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食の統一デザイン化を手始めに西和賀ブランドを広く発信

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「ユキノチカラ」プロジェクトに参加するお菓子処たかはしの高橋忍店主(右)の菓子製作の様子を見学する人たち=9月23日、西和賀町
西和賀町は、マイナスイメージもある雪深さを逆手に取り地域創生「ユキノチカラ」プロジェクトで成果を上げている。食の統一デザイン化を手始めに西和賀ブランドを広く発信する。

プロジェクトは2015年度に始まり、町と町内事業者、県内のデザイナー、北上信用金庫、日本デザイン振興会などが連携。雪をモチーフに商品開発やロゴのデザイン、販路拡大などを手掛ける。

全国から地域づくりを学ぶ約10人が9月下旬、同町を訪れ、同プロジェクトに参加するお菓子処(どころ)たかはしではわらび餅作りなどを見学。「何もやらなければ、ここには来なかっただろうね」と高橋忍店主(53)が笑顔で作業を続けた。

同店は30年前から販売する焼き菓子フィナンシェを「ユキノチカラ」で改良。包装を変え、地元産蜂蜜とそば粉を使った2種類を新発売した。JR東京駅構内でも販売し、売り上げは以前の2倍以上となった。高橋さんは「お菓子も目的にお客さまが来てくれるようになった。食や自然、温泉も楽しみ西和賀のファンが増えてくれたらうれしい」と波及効果を期待する。

当初6団体だったプロジェクト参加事業者は、17年度は12団体に増え、開発商品はどぶろく、わらび水煮、米など15に上る。初年度から参加した事業者の売り上げは最大47%などいずれも増加した。

3年目に入り、売り上げが伸びない商品も見え始め、デザイン改良など磨き上げを重ねる。国の地方創生の交付金に頼る部分も大きく、財政面でいかに自立するかも課題だ。

町ふるさと振興課の畠山幸雄課長(59)は「さらに外への発信力をつけたい。個々の事業者の魅力アップが町の魅力、元気、稼ぐ力になる。今は商品がほとんどだが、観光や自然もどんどん取り入れたい」と力を込める。

(岩手日報)