津波被害の推定情報提供 仙台に専門企業設立

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RTi社の津波被害予測システムを統括する越村教授=8月27日、仙台市の東北大

東日本大震災の津波は甚大な被害を引き起こした。国内では今後、南海トラフなど巨大地震発生に伴う津波被害が想定される。東北大は民間企業3社と共同で3月、津波被害を的確に推定し、迅速な復旧につながる情報を提供する専門企業「RTi-cast」(仙台市若林区)を設立した。

現在の推定範囲は南海トラフ巨大地震の海域で静岡県から鹿児島県までの太平洋側の海岸線約6000キロ。東北大と大阪大にある24時間稼働のNEC製スパコンが、地震発生から約30分以内に被害を推計する。

スパコンはマグニチュード(M)6・5以上の地震、または津波注意報・警報が出た際に作動。津波の高さや到達時間、浸水範囲、建物被害などを予測し、被災地自治体や企業に被害予測情報を提供する。予測範囲は日本全体に広げる方針で、2020年までに改良を終えたい考えだ。

事業を統括する東北大災害科学国際研究所の越村俊一教授(46)=津波防災工学=は「東日本大震災では被害予測ができず、状況把握に手間取り、復旧対応が後手に回った」と指摘。「津波災害が発生した際、国や自治体などで開かれる最初の災害対策本部の会合で情報を活用してもらいたい。だから30分以内の推定に意味がある」と話す。

(河北新報)