二本松 農家の夢のワイン

ワイン造りへの熱い思いが共感を呼んだ

二本松市の北東部、阿武隈山系の里山が広がる東和地域に、地元産のブドウなどで果実酒を醸造、販売する会社「ふくしま農家の夢ワイン」がある。

耕作放棄地が増えて過疎化も進む現状からの脱却を目指し、農家有志が2012(平成24)年に設立。11年の原発事故に伴う風評被害から再起を図りたいという強い思いが後押しした。

努力を重ね、初のオリジナルワインが完成したのが14年。ヤマブドウとカベルネ・ソービニオンを交配させた「ヤマ・ソービニオン」という品種で造った赤ワインで、翌年から本格的な販売を始めた。地道な努力が実を結び、JR東日本の高級寝台特急列車「トランスイート四季島」で提供されるまでになった。社長の斎藤誠治さん(69)は「常に前を向いてやってきた」と振り返る。

今年7月、事務所脇の納屋を改修し、ワインカフェスペースを整備した。福島大の学生団体がワインと地元農産物との「マリアージュ」(組み合わせ)を楽しむイベントを開くなど、ワインを使って地域を盛り上げようという取り組みの輪が広がっている。

「毎年が勉強という気持ちで栽培してきたブドウも成熟してきた。これからが楽しみだよ」。斎藤さんは笑顔で話した。

(福島民友)