広野町 バナナで復興後押し

ビニールハウス内でたわわに実を付けたバナナ=9月3日、広野町

福島県沿岸部にある広野町の新たな特産品にしようと、同町振興公社が昨年秋、町内で栽培を始めたバナナが収穫期を迎えている。「朝陽に輝く水平線がとても綺麗なみかんの丘のある町のバナナ」(愛称・綺麗)と名付け、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の象徴として十月から本格的に販売する。

栽培しているのは岡山市の農業法人D&Tファームが開発したバナナ。凍結解凍覚醒法と呼ばれる技術で寒冷地への順応性を高める。糖度が高く、無農薬栽培のため皮ごと食べられるのが特長だ。

ビニールハウス二棟に計約二百株を植え、来春までに約三万五千本を収穫する。販売先は首都圏の高級フルーツ店をはじめ、福島県内のスパリゾートハワイアンズ(いわき市)やJヴィレッジ(楢葉町・広野町)などを予定している。

原発事故発生後、広野町に緊急時避難準備区域が設定され、ほぼ全町民が一時、町を離れた。同区域は二〇一一年九月に解除され、現在は約87%の町民が町に戻っている。

長い名称には町の魅力が詰まっている。中津弘文社長(62)は「震災では全国から多くの支援をいただいた。恩返しの思いも込めたバナナを全国の人に味わってほしい」と願う。

(福島民報)