二子さといも 伝統脈々、地域の宝

地域で長年にわたり作り継がれてきた二子さといもを収穫する高橋豊さん(右)、寛子さん夫妻

岩手を代表する秋の味覚と言えば北上市の「二子(ふたご)さといも」だ。地域の農林水産物や食品のブランドを守る国の地理的表示(GI)保護制度に2018年9月に県内の野菜で初めて登録。強い粘りと深いこく、とろける食感が魅力で、300年以上品種改良せずつないできた地域の宝だ。

二子さといもは赤い茎が特徴。生産者が貯蔵が難しい種芋の保存や栽培技術を長年伝承し、種芋が少ない年は融通し合い栽培を続けてきた地域の絆の結晶だ。農家約100戸で構成する花巻農協北上地域野菜部会さといも専門部は栽培面積は約25ヘクタール。2019年度は175トンの出荷を目指す。

煮崩れしにくさと、深い味わいを生かしたのが地元の芋の子汁。鶏がらでだしを取りしょうゆベース。鶏肉が入るが、ゴボウ、ニンジンは使わず二子さといも自体のおいしさを楽しめる。

二子町では毎年9月下旬にいものこまつりを開催。マスコットキャラクター「いも丸くん」が活躍し、材料に使ったコロッケや菓子が販売されるなど二子さといもが文化としても市内に根付く。同専門部の高橋豊部長(63)は「生産者は減っているがGI登録もされ、高品質のサトイモをそろえていきたい」と宝の伝承へ意気込む。

(岩手日報)