津波被災地で健康増進、異色経歴の持ち主

「社会保障費を抑え次世代に希望をつなぎたい」と被災地で奮闘する富山泰庸社長(左)=9月10日、岩手県陸前高田市

岩手県大船渡市に本社を構えるロッツ(富山泰庸(とみやま よしのぶ)社長)は東日本大震災後、同市や陸前高田市で調剤薬局や訪問リハビリテーション事業を手掛け、津波被災地の健康増進に一役買っている。

大阪市出身の富山社長(48)は米国の大学卒業後、英米の大学院で修士課程を修了。貿易コンサルティング会社の起業やお笑いタレントとしてクイズ番組に出演するなど異色の経歴の持ち主だ。

転機は震災。支援活動で訪れた陸前高田市は九つの薬局全てが被災した。地元医師から薬局の必要性を説かれ「誰かがやらないと」と一念発起。薬局経営の経験はなかったが震災からわずか4カ月後、仮設プレハブ店舗で営業を始めた。

震災翌年の2012年には国の復興特区制度を活用した日本初の単独型訪問リハビリステーションを開設。17年4月には復興途上の同市中心部にリハビリ特化型デイサービスとフィットネスを兼ねる「リボーン」をオープンした。

次世代の負担となる社会保障費の増大を抑制するには一人一人の健康維持、増進が欠かせない。「この地域で事業が成立すれば日本中どこでも成立する」。社会変革への強い意志を被災地から発信する。

(岩手日報)