自伐型林業に奮闘/宮城南三陸・小野寺さん

重機を操作し、作業道を造る小野寺さん=2020年9月16日、宮城県南三陸町

宮城県南三陸町の小野寺翔さん(24)は東日本大震災で被災した古里にUターンし、林業で生きる道を選んだ。山を手入れし、間伐材で収入を得ながら大樹を育てる「自伐型林業」の担い手として奮闘している。

岐阜県の林業専門学校で2年間学び、2019年春に帰郷した。自伐型林業に取り組む町内の会社で働いた後、今年6月に独立した。地元の戸倉地区で、持ち山や親類から請け負った約20ヘクタールを管理する。

長年放置されていた山は荒れ果て、木は痩せ細っていた。「今は基盤整備の段階」と、重機を使って作業道造りに汗を流す。10月からは間伐を始める計画だ。自伐型林業は一つの山を長期的に見守るため「山守型」と呼ばれる。管理する山はスギが中心。「適切な間伐で山の環境を良くし、樹齢50年の木をさらに10年、20年かけて育て、良質な木材として出荷したい」と展望する。

中学2年の時に町内で震災に遭い、自宅を津波で失った。「いつかは古里の力になりたい」との思いを抱き続けてきた。

持続的な森林経営を促す自伐型林業は地方創生の面でも期待されている。小野寺さんは「先人が残した資産である山を守り、価値を高めたい」と言葉に力を込める。

(河北新報)