福島・ホープツーリズム/旅行企画で復興発信

修学旅行で福島県の被災地を訪れ、震災と原発事故に理解を深める福岡県の高校生=11月3日、双葉町産業交流センター

東日本大震災の津波被災地や東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された地域などを巡る旅行企画「ホープツーリズム」が、福島県の浜通りを中心とした市町村で展開されている。復興が進んだ「光」と課題が残る「影」の両方を直接見て感じられる新しいツアーとして注目が高まっており、修学旅行先に選ぶ中学・高校が増えている。

原発事故からの復興に取り組む福島県の姿は他県にはない観光素材と捉え、2016年度に福島県の主催、福島県観光物産交流協会の企画・運営で始まった。沿岸部や富岡町の東電廃炉資料館などを案内し、廃炉作業に当たる東電社員らが現状を説明している。20年度は新型コロナウイルスの影響を受けながらも、45件、約950人が利用した19年度と同数規模となる見込み。

11月上旬には福岡県の高校生約390人が全町避難の続く双葉町を訪れた。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館や双葉町産業交流センター、甚大な津波被害を受けた浪江町の請戸小などを視察した後、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)に宿泊した。

伝承館の小林孝副館長(50)は「福島の現状や復興への取り組みを肌で感じ、帰った先で一人でも多くの人に発信してほしい」と願う。

(福島民報)