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医療健康に良い「低カロリー、減塩」の
メニュー

ボリュームたっぷりの地場の食材の数々に、鼻腔(びくう)をくすぐる深いだしの味わい。「低カロリー、減塩」を徹底したメニューとはとても思えない。
仙台市青葉区の「酒味旬菜 千よ新」が9月に提供を始めた「宮城の幸と季節野菜の御膳」。高橋一豪料理長の手による本格和食を「昼(1400円)」「夜(2200円)」のお手頃価格で楽しめる。
同店は「1食当たり600キロカロリー以下、塩分3グラム以下」を目安にレシピ開発した飲食店、ホテルなどに与えられる「宮城カルテ食堂」の認定第1号店の一つ。
料理人歴30年の高橋料理長は「健康に良いレシピでは食べ応えがないと思い込んでいたが、だしや香味野菜の使い方次第でしっかり味を出せると分かった」と言う。
宮城カルテ食堂の認定制度はことし5月、青葉区の東北公済病院が市内のNPO法人などとともに創設した。
「東北随一の歓楽街である国分町に立地している医療機関として、地域に何か貢献できないか考えた」と岡村州博病院長が振り返る。
認定には同病院の内科医や生産者による講習会を最低でも3時限受講しなければならない。さらに管理栄養士の助言を受けながらレシピを作成する必要がある。
第1回講習会には約30店の参加があり、うち14店を認定した。9月下旬からは第2回講習会がスタート、年内にも認定証を交付できる見込みだ。
協力するNPO法人キューオーエルの横山英子代表は「生活習慣病予防や健康維持をうたう企画は多いが、医療に裏付けされている点がこの制度の特長。息の長い取り組みにしたい」と話す。

【河北新報社】