「もう一つの治療」関心高く

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今年五月、会津若松市に開所した福島医大会津医療センターに県内初の漢方内科が開設され、これまで満足できる治療効果が得られなかった原因不明の症状や難病の患者らへの「もう一つの治療」として関心が高まっている。患者自らが治そうとする力を引き出すという考えを基本に、はり・きゅうを担う漢方外科と合わせた効果が期待されている。
初診では、患者一人に約一時間かけ、このうち八割を問診に充てる。丁寧に症状を聞き、声の調子や顔色などを観察して患者に合った漢方薬を処方している。調剤室には約二百三十種類の生薬がそろい、専門の薬剤師が配合する。漢方という言葉の親しみやすさもあって受診を希望する患者は多い。二、三カ月の予約待ちの状態だという。
会津には薬草栽培の歴史がある。市内の日本庭園・御薬園では江戸時代から歴代藩主が人々の疫病の治療や予防のため、さまざまな薬草をつくってきた。薬用ニンジンは現在も地元で生産が続けられている。同センターで使う薬用ニンジンは、ほぼ県内産という。より多くの種類の生薬を県内産でまかなう地産地消の構想もある。
「漢方医は総合医。医療過疎の課題に有効な対策となり得る」と鈴木朋子医師(46)は話す。漢方内科の素養を身に付ければ、一人で対応できることが増えるという。センターで学んでいる研修医の関心も高い。山間部の医療体制に課題を抱える広域な会津で、漢方内科の試みに注目が寄せられる。

【福島民報社】