医療を通じて復興支援
埼玉県出身の医師 南相馬市で活動

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東京電力福島第1原発の北側二十数キロに位置する南相馬市立総合病院。東日本大震災、原発事故で一時4人まで減った常勤医は、震災前の13人を上回る23人に増えた(10月10日現在)。中には医療を通じて復興に寄り添いたいと、県外から同病院に診療の場を移した医師もいる。
埼玉県出身の医師、小鷹昌明さん(46)が約20年過ごした獨協医大(栃木県)を辞め、市立総合病院に勤め始めたのは昨年4月。知人から県内医療の窮状を聞いたのがきっかけだった。「人の役に立てる場所に行きたい」。2011(平成23)年に就任した准教授の肩書を捨て、同市の医療圏では唯一の神経内科医として地域を支える。
外来の合間を縫って往診を行い、避難住民の診療も続けてきた。すると避難による生活習慣の変化、離職が原因で症状が表れる患者の存在が見えてきた。「職を失った男性は特に孤独になりがち。そうした人の交流の場をつくりたかった」
買ってもらえる製品作りを目指す木工教室、避難区域での料理教室など被災男性を社会に結び付ける取り組みにも尽力する。「(H)引きこもり(O)お父さん(H)引き寄せ(P)プロジェクト」。「HOHP」は「ホープ」と読み、明日への希望につなげる試みだ。
「最初は1、2年で福島を離れるつもりだった」と小鷹さん。今では意識も変わった。「復旧、復興にめどがつくまでこの地域に関わりたい」。県内外を問わず、福島県を思う気持ちが復興を後押しする。

【福島民友新聞社】