郡山市の日大工学部
浅部地中熱を使った新技術を確立

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「ロハスの工学」を標榜(ひょうぼう)する郡山市の日大工学部。「健康で持続可能な生活スタイル」を意味するロハスだが、東日本大震災後は「自立した復興」に向けて、取り組みを加速させている。従来に比べて浅い部分の地中を活用する「浅部地中熱」もその一つだ。
従来の地中熱は約100メートル掘り下げる必要があるなど、一般住宅への実用化には課題があった。同学部は比較的浅い地中に着目し、再生可能エネルギーとして十分活用できることが分かったという。
地中熱は同学部内の「ロハスの家」にも活用しているが、今夏には郡山市に実証住宅を設置。住環境設計室(同市)が開発したくいの中に熱交換パイプを入れて地中熱を取り入れる。くいは基礎に使い、深さは約10メートル程度で済む。冷暖房、給湯、床暖房、融雪に活用できるといい、伊藤耕祐准教授は「周辺への影響の調査は必要だが、技術はほぼ確立している」と自信を見せる。
熱を循環させるヒートポンプは高額のため現在、同学部の地域イノベーションプロジェクト推進室で低価格化に取り組む。また、地域によって環境が異なる中での設計の確立も急務だ。小熊正人特任教授は「多くの人が使える設計論が必要」と課題を挙げる。
同推進室は遊休井戸を活用して地中熱を取り入れた融雪システムの導入も目指すなど、活用法も着実に広がりつつある。工学研究所次長の柿崎隆夫教授は「持続可能な福島に向け、芽が出てきた」と、福島発の事業創出へ意欲を見せる。

【福島民友新聞社】