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キックオフ「食」がつむぐ元気の輪

「食」が熱い。
昨年12月、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録された。来年5月には、「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマにミラノ万博(イタリア)が開幕する。食の魅力と、その可能性に世界が注目している。

野菜や果物、魚介に肉…。多様な食材に恵まれた東北は食の宝庫。季節ごとに旬の食材が食卓を彩る。

例えば、先人から受け継いできた地野菜がある。滋味に富み、香り、食感は食文化として住民の味覚を育ててきた。
福島県には、江戸時代から作られてきた「会津小菊南瓜(あいづこぎくかぼちゃ)」がある。皮が固く長期保存ができることから、冬至かぼちゃなどでおなじみ。甘く、濃厚な味は抜群だ。

山形県鶴岡市の農家が江戸時代から大切に守り続けてきた枝豆の在来種「だだちゃ豆」は、さやは茶毛に覆われ独特の甘みと風味がある。出回る量も少なく、希少価値も人気を呼んでいる。

宮城県名取市下余田地区はミョウガタケの日本一の生産地。高さ1メートル20センチほどまで伸び「仙台みょうが」の呼び名で出荷される。シャキシャキとした歯触りと爽やかな香りが特長だ。

「二子(ふたご)サトイモ」は岩手県北上(きたかみ)地区の特産。芋の子汁や煮しめなどにして独特の粘り、食感を楽しむ。最近は、これを主原料にした「北上コロッケ」が好評だ。

秋田県といえばジュンサイ。ゼリー状のぬめりや、シャキシャキとした食感が特長。三種町(みたねちょう)は長年「生産量日本一」を誇り、小舟に乗って摘み取る作業が夏の風物詩となっている。

青森県大鰐町(おおわにまち)には「大鰐温泉もやし」がある。350年以上前から栽培されてきたといわれ、温泉熱を利用する。土で育てるため、独特の芳香とシャキシャキとした歯触りが人気だ。

これらは一例にすぎない。各地には多くの伝統食材があり、それを育てる人、風土がある。多難な時代だからこそ、東北が誇る「食」を切り口に、地域の可能性を掘り起こしたい。

東北6県の主要7新聞社で構成する東北七新聞社協議会の企画「東北発 ニッポン元気アクション」。今年は「『食』がつむぐ元気の輪~東北のチカラ再発見」をテーマに、地域が元気になるヒントを探る。                
                                            
【主催】東北七新聞社協議会(東奥日報社、秋田魁新報社、岩手日報社、山形新聞社、河北新報社、福島民報社、
福島民友新聞社)
【後援】青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県
【協賛】第一三共、中小企業基盤整備機構東北本部、津軽海峡フェリーほか