強い選手ほどよく食べる
盛岡商業高校(盛岡市)サッカー部員が通う食堂

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盛岡市本宮の盛岡商高サッカー部は2007年、第85回全国高校サッカー選手権で優勝した。合宿時などに選手の食を支えてきたのは学校近くの食堂「とんかつ熊さん」。店主熊谷寛さん(70)は「食べることは強さの基本」と年以上にわたりボリューム満点の食事を提供している。

サッカー部の選手は合宿中の朝晩「熊さん」へ通い、エネルギーを補給する。同店の名物は特大とんかつ。煮物や豆腐、納豆がつき、それに普通の茶わん4杯分というごはんが定食の基本メニューだ。

開店は1973年。2、3年後斎藤重信現総監督から、東京の帝京高など遠征で来校する全国の強豪校のため食事を提供してもらえないかと依頼された。

繁忙期、仕込みは午前2時ごろに始まる。一度の食事で100食作ったこともあった。苦労も多いが「強い選手ほどいっぱい食べる。食べたいくらい用意しないと勝てないでしょ」と笑う。

二人三脚で店を切り盛りしてきた妻智子さんが4月、歳で亡くなった。熊谷さんは遺影を抱いて今夏の県高校総体を観戦。「盛商(もりしょう)」の選手は喪章を着けて戦い、優勝した。

07年の全国制覇の際、キャプテンだった会社員藤村健友さん(25)=盛岡市本宮=は「すごい量を食べていた。90分走れる体をつくってくれた」と感謝し、今でも「熊さん」に通う。熊谷さんは長く続く交流を喜び、厨房(ちゅうぼう)から選手たちにエールを送る。

【岩手日報】