バイオ技術で巨大化
伊達いわな(宮城県大和町)

miyagi
通常の2倍の大きさに育つ巨大イワナを養殖し、新たな特産品にする取り組みが宮城県大和町の県内水面水産試験場などで進んでいる。「伊達いわな」の名でブランド化し、県内の淡水養殖業者を後押しするのが狙いだ。

巨大イワナはバイオ技術を駆使して開発された。仕組みはこうだ。

受精卵を28度の温水に15分ほど浸してショックを与え、染色体を3セット持つ「三倍体」の雌を作り出す。この雌は卵ができないため、産卵期も栄養を取られることなく成長し、2年で体長50センチ、体重1キロに育つ。産卵で身が痩せないから味もいい。

試験場の永島宏場長(56)は「多く身が取れ、寄生虫の心配もないので刺し身に向く。高級食材として人気になるはず」と力を込める。

試験場とともに養殖に当たった同町の菅原養魚場は4月、初めて仙台中央卸売市場に伊達いわなを出荷した。品質の高さと珍しさが評判を呼び、東京・大田市場などにも取引が拡大した。養魚場を経営する菅原元さん(62)は「市場の関心は高い。息長く出荷できれば」と期待する。

伊達いわなを扱う仙台市泉区の回転鮨(すし)清次郎仙台泉店は「注文がじわりと増えてきた」と言う。

課題はコスト。受精卵にショックを与えるため、ふ化して稚魚に成長する確率は2%程度。採算を取るには販売価格が高くなる。試験場は「コスト改善には稚魚の生存率を高めることが必須」として研究を重ねる。
【河北新報】